9/21講演「彫刻家佐藤朝山」(大田区立郷土博物館)を聴講して

日本橋三越本店1Fロビーの「天女像」 I.Nobeta撮影2014/09/14
日本橋三越本店1Fロビーの「天女像」 I.Nobeta撮影2014/09/14

彫刻家佐藤朝山の旧居跡の、「大田区立郷土博物館」で「彫刻家 佐藤朝山」講演会(平櫛田中彫刻美術館 学芸員 藤井明氏)が2014年9月21日開催された。佐藤朝山は、高村光雲の孫弟子にあたり、師匠の山崎朝雲と、平櫛田中は兄弟弟子という関係。 現存する有名な作品として、日本橋三越本店の天女像(まごころ)や、皇居の和気清麻呂像はいつでも見ることができるが、蜥蜴、栗鼠、牡猫など動物のおもしろい作品は個人蔵のため実物を見ることが難しい。2006年小平市にある平櫛田中彫刻美術館で開催された「蘇る 近代彫刻の奇才 佐藤朝山展」の図録を図書館で取り寄せて実際の作品写真をじっくり見ていただきたい。

 

 また大正11年、小林古径、前田青邨と朝山の3人は一緒にパリへ留学することになっても酒癖の悪かった朝山を嫌って別々の船で渡航したとか、直接の師匠だった朝雲の「朝」の字を嫌って後は「玄々」に変更したこと、朝山の才能を高く評価していた平櫛田中の推挙で、武蔵野美術大の講師になったり、パトロンの紹介を受けたりと恩義を受けていた関係なども興味深かった。